「文書回答事務」一切を引き受ける「審理課」

ところで、課税第一部には審理課という課が設置されています。この審理課の業務内容は組織規則によれば「内国税の賦課に関する法令の適用に関すること」を所掌すると書かれています。何をしているかがわかりにくいと思いますが、われわれ納税者にとって非常に重要な仕事をしています。
それは文書回答の事務です。これには①事前照会に対する文書囲答手続き②開業者団体等からの照会に対する文書回答手続きの二つがあり、国税庁では次のように説明しています。

[文書回答制捜]
全国の国税局においては、納税者サービスの一環として、個別の取引などにかかる税務上の取扱いについての照会に対する回答を文書により行うとともに、同様の取引などを行う他の納税者の予測可能性を高めるために、その照会および回答の内容を国税庁ホームページにて公表しています。
また、同業者団体などからの照会(その構成員が行う取引などにかかる税務上の取扱いについての照会に限ります) についても、上記と同様に、文書による回答を行うとともに、その照会および回答の内容を国税庁ホームページにて公表しています。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sonota/8292.pdf

審理課の文書闇答はあくまでも目安
ところで社長であるあなたが、これから予定しているある一定の取引について、事前に当局に文書回答を求めたとしましょう。そこで有利な回答が得られました。
このようなとき、回答のとおり経理処理をすれば、その後の税務調査などですべてそのまま認められると理解してよいのでしょうか。
社長の気持ちとしては、事前に不安に感じていた部分を尋ねて、その回答のとおり経理処理をしたわけですから、「認められて当然」と思うかもしれませんね。
しかし、必ずしもそうはいかないところが、怖いところです。
照会する側が照会したい事柄を、すべて当局に説明することができ、回答する当局がそのすべてを理解した上で下した判断であれば、のちのち問題となることはないかもしれません。
しかし、両者の一方、または双方ともに説明能力、理解能力に欠けるところがあったとしたらどうなるでしょうか。正
しい判断がくだされず、調査で否認されることにもなりかねません。
現実に、そういう例はいくつもあります。
国税当局もその点に対しては、文書回答を説明したホームページ上で、次のような防御線を張っています。大事なところだけ抜粋してみましょう。ぜひ、参考にしてください。

Q.文書回答は、どのような効力を持つ者なのですか。
A.納税者からの質問に対して、文章で回答しますが、照会者の申告内容などを拘束するものではありません。

 我が国は申告納税制度を採用しており、申告・納税は納税者の皆様が自主的に行っていただくものです。このような申告納税制度の下において、文書回答は、納税者サービスの一環として、他の納税者の皆様に予測可能性を与え、適正な申告・納税をしていただくための一助となることを目的として実施しているものです。
 文書回答は、照会に示された事実関係に基づき、その時点の法令に則して、その範囲内での国税当局の判断を示すものであり、照会者の申告内容等を拘束するものではありません。
 また、文書回答は、あくまで照会者から示された事実関係を前提としたものですから、その示された事実関係が実際の取引等と異なっていたり、新たな事実が生じたような場合には、回答内容と異なる課税関係が生じることがあります。
 したがって、文書回答どおりの申告を行ったとしても、例えば、法令の改正等があったり、調査による事実確認の結果、実際の事実が照会に係る事実と異なること等が判明したような場合には、国税当局として別の判断を行い、課税処分等が行われる可能性があります。

どうですか。最後の責任は社長自身が取るしかないということがおわかりいただけたと思います。何事も自己責任なのです。
ついでにこういう問題がなぜ発生するかと言えば、おそらく文書回答を行う部署と調査を実施する部署が、異なるからだと考えられます。部署が異なれば、当然のことながら担当者も異なります。それによって、事実関係のとらえ方、解釈の仕方などが異なってくると考えられます。
示された事実関係をもとに一定の回答をすればよいだけ(といっては語弊がありますが)の担当者と、示された事実関係が本当にそのとおりなのか、その裏に隠れている別の真実がないのかを見極めようとする調査担当者の立場によって見方が異なることが、両者に離離をきたすこととなり、結果的に別の判断が取られ、課税処分が行われてしまうこととなります。
そこで大事になってくるのが、真実がどこにあるのかです。それは社長の胸の内です。社長の頭の中にすべてが入っています。その頭の中に入っているとおりの経理処理をすることが、結局は最善最良の結果を会社にもたらすこととなります。これが税務調査の正しい受け方、上手な受け方です。
それにつけても、会社、課税当局、税理士、関係するすべての人々が勉強して知識と経験を深め、事実関係を的確に分析する能力、正しい判断をする能力、わかりやすく説明する能力を磨かなくてはなりません。

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