附則を読む

1.附則とは?
附則とは本法の諸規定にともなって必要とされる付随的な規定のことをいいます。
付随的な規定ですが、附則も立派な法律です。附則には一般的に、次のことが記載されています。
(1)その法令の施行期日に関する規定
(2)既存の他の法令の廃止に関する規定
(3)その法令の施行にともなう経過規定に関する規定
(4)既存の他の法令の改正に関する規定
(5)その法令の有効期限に関する規定
(6)その他

2.園擁行期闘の定め方
法令の施行期日は、「公布の日から施行する」「公布の日から一定の猶予期間を置いて施行するものJなどがあります。税法ではもっぱら、「平成21年4月1日から施行する」などと記載されています。

3.固有効期開・経期
法令はその法令の始期が定められているのみで終期は定められていませんが、程税特別措置法などではあらかじめ終期を定める例もあります。

4.適用に関する諸規定
新法を公布し、施行期日を定めただけでは、ある事柄に新・旧どちらの法令を適用すればよいのかわかりにくい場合もあります。そこでこれらを明確にするため、新・旧法令の適用区分に関する規定や旧法又は新法の適用範囲に関する規定がおかれます。

5.経過規定の読み方
法令を制定改廃する場合には、従来の秩序をある程度容認するとか、新しい秩序の採用に特例を定めるなどの経過措置を定めることが望ましいことです。このためにおかれる規定を経過規定といいます。
経過措置は、既得権を一定程度保護することによって法的安定性の確保を目指すことや新たな法秩序にともなう社会の混乱を防止するために置かれます。

経過措置には次のような内容が定められています。
・従前の法令による行為の効力に関する経過措置
・従前の法令による文書、物件等の取扱いに関する経過措置
・従前の状態の取扱いに関する経過措置
・旧法令の規定の効力に関する経過措置

経過措置の重要性
経過措置は今までの税法の規定がこれからどうなるかや、これまでの課税関係が今後どうなるのかということを認識するためにも非常に重要です。
ここでは、平成21年度税制改正で導入された「外国子会社配当益金不算入制度」を例にとり、経過措置の重要性を認識したいと思います。
以下、国税庁ホームページのQ&Aから引用し、簡単に説明します。

外国子会社配当益金不算入制度に関するQ&A
(配当免税制度)
平成22年1月国税庁

このQ&Aの冒頭の説明文に次のように書かれています。

平成21年度税制改正により、内国法人が一定の要件を満たす外国子会社から受ける配当等を益金不算入とするいわゆる「外国子会社配当益金不算入制度」(以下、「配当免税制度」といいます。)が導入されました。この制度は、原則として、内国法人が平成21年4月1日以後に開始する事業年度において一定の要件を満たす外因子会社から受ける配当等の額について適用されますが、外国子会社合算税制や外国税額控除制度との関係において、その適用に関する経過措置が設けられています。

間1に《特定外国子会社等から受ける配当等に係る適用関係》という設問がおかれ、その解説文に改正法附則第六条と第四十四条の説明が次のようになされています。

平成21年度税制改正で導入された配当免税制度は、内国法人が改正法の施行日(平成21年4月1日)以後に開始する事業年度において外国子会社(法人税法第23条の2第1項に規定する外国子会社をいいます。以下同じ。)から受ける配当等の額(同項に規定する剰余金の配当等の額をいいます。以下同じ。)について適用することとされています。
(改正法附則6)
ただし、外国子会社が外国子会社合算税制における定外国子会社等」に該当する場合には、内国法人における改正法の施行日以後に開始する事業年度において特定外国子会社等から受ける配当等の額で、その特定外国子会社等における改正法の施行目前に開始した事業年度に係るものについては、配当免税制度は適用しないこととされています。
(改正法附則44⑤)

つまり、外国子会社からの配当にはこの配当免税制度が適用されますが、特定外国子会社からの配当には適用されないということが附則で規定されていました。
簡単に説明すると、外国子会社とは、内国法人の持株割合が25%以上で、かっその保有期間が6月以上である外国法人のことをいい、特定外国子会社とは、内国法人の持株割合が50%超の外国関係会社で軽課税国に所在する外国関係会社のことをいいます。
この附則が、非常に重要な意味を持ちました。
平成22年1月にこのQ&Aがホームページに掲載される前は大多数の人にとって、この附則に対する理解が十分でなかったため、特定外国子会社の配当についても、益金不算入の制度が適用されると、誤解し、配当させたものの、益金不算入とならず、困った事例がたくさん出ました。
では見ていきましょう。
問題の附則は所得税法等の一部を改正する法律「附則(平成二一年三月三一日法律第一三号)」です。

(施行期日)
第一条この法律は、平成二十一年四月一日から施行する。

さらに第六条で、次のように規定されています。

(外国子会社から受ける配当等の益金不算入に関する経過措置)
第六条 第二条の規定による改正後の法人税法(以下附則第六十条までにおいて「新法人税法」という。)第二十三条の二の規定は、内国法人が施行日以後に開始する事業年度において同条第一項に規定する外国子会社から受ける同項に規定する剰余金の配当等の額について適用する。

この条文中第二十三条の二というのは、
「外国子会社から受ける配当等の益金不算入Jの規定で、抄録すると、

内国法人が外国子会社から受ける剰余金の配当等の額がある場合には、内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入しない。

という規定です。
附則第六条でこの規定は、施行日21.4.1以後開始する事業年震において外国子会社から受ける剰余金の配当等に額について適用するとあることから、21.4.1以降の配当は益金の額に算入する必要がないと思い、特定外国子会社からも配当させた法人がありました。
ところがです。法人税法の改正に係わる附則の条文にはそのように書いてありましたが、租税特別措置法の改正に係わる附則の条文に次のような規定がありました。
この条文は前掲のただし書き以下の内容を定めています。

(内国法人の特定外国子会社等に係る所得の課税の特例に関する経過措置)
第四十四条
5.内国法人の施行日以後に開始する事業年度において当該内国法人に係る……特定外国子会社等から受ける……剰余金の配当等の額(当該特定外国子会社等の施行目前に開始した事業年度に係るものに限る。以下この項において同じ。)については、新法人税法第二十三条の二の規定は、適用しない。……

この規定の意味合いは、特定外国子会社等から受ける配当等の額に係る配当免税制度の適用に当たっては、特定外国子会社等の配当等の支払に係る基準日の属する事業年度が施行目前に開始するかどうかにより、旧法の適用となるか新法の適用となるかを判断するということです。
配当の支払に係る基準日が平成21年3月31日の場合は、その基準日の属する特定外国子会社等の事業年度(自平成20年4月1日至平成21年3月31日)は改正法の施行日(平成21年4月1日)前に開始した事業年度であることから旧法の適用となり、配当免税制度の適用はなく、本件の配当の額は益金の額に算入されることとなります。
どうでしょうか、附則とは本当に厄介で難しいです。旧法の規定を完壁に理解していないと附則の意味するところが分かりません。
以上、経過措置の重要性を認識していただくためにQ&Aを参照しながら説明しました。

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